湘南を駆ける、昭和のポップ・アイコン

Digital Memoir Feature / Summer Highway 1960s
湘南を駆ける、昭和のポップ・アイコン
あ の頃、私たちの未来は湘南の海のようにどこまでも青く、広がっていました。カセットデッキから流れる軽快なリズムに合わせて、潮風と夢を追い越していく。 それは、自分たちが物語のヒロインだと確信していた、最高に輝かしいひとときでした。
1. カセットテープから零れる「ウキウキ」の魔法
太陽が海面をダイヤモンドのように散りばめ、オープンカーのシートが熱を帯びる。ハンドルを握るサチコの横で、ミドリがリズムに合わせて肩を揺らす。
流れてきたのは、レナウンの「ワンサカ娘」。
小林亜星氏が手掛けたあの弾けるようなメロディーは、単なるCMソングを超えて、新しい時代を生きる私たちのアンセム(応援歌)でした。
ねぇ、この曲を聴くと、なんだか無敵になれる気がしない?
2. 街の視線を奪う、モダンなシルエット
二人のスタイルは、まさに当時のファッション誌から飛び出してきたような「ワンサカ娘」そのものでした。健康的で、ちょっぴりモダン。その装いは、ただの服ではなく「自由」そのものを身に纏っているようでした。
サチコ: 清潔感あふれる白いコットンブラウスに、膝丈のアイビーなチェック柄スカート。サングラスの奥には、好奇心に満ちた瞳。
ミドリ: 夏の陽光をそのまま形にしたような、鮮やかなオレンジ色のノースリーブワンピース。白いカーディガンを無造作に羽織り、首元には風に踊るスカーフ。
3. 終わらないガールズトークと、サイドミラーの自分たち
逗子マリーナ、江の島、そして新しく買ったフリルの水着。窓から入り込む潮風に負けないくらい賑やかに、次から次へと話題は弾けます。
ふとサイドミラーに目をやったサチコは、光の中で笑う自分たちの姿に、あのテレビCMの残像を重ねます。
ねぇ、ミドリ。私たち、なんだかあの「ワンサカ娘」みたいじゃない?
そうね。毎日をワンサカ楽しんでいるもの。
デジタル回顧録として
かつて湘南ハイウェイを走り抜けたあの高揚感。「レナウン」という響きと共に思い出すのは、ただのブランド名ではなく、私たちが手にしていた「明日への希望」そのものでした。
たとえ時代が移ろっても、あの夏の太陽と「ワンサカ娘」のメロディーは、私たちの心の中で色褪せることなく響き続けています。
あなたの記憶の中で、今もキラキラと輝いている「あの夏の流行」は何ですか?
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