「ハヤシもあるでよ」が繋いだ、家族の食卓
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湯気の向こうに映る、昭和の幸福論

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「ハヤシもあるでよ」が繋いだ、家族の食卓
「ハヤシもあるでよ」が繋いだ、家族の食卓
夕暮れ時、路地裏に漂い始めるあの匂い。スパイシーなのにどこか甘く、胸の奥をぎゅっと掴むような懐かしい香りがしたら、それはわが家の「カレーの日」の合図でした。
賑やかな「ただいま」が響く玄関
賑やかな「ただいま」が響く玄関
ランドセルを放り投げる音に続いて、台所から母さんの声が飛ぶ。「手ぇ洗ってきなさいよ」。その一言だけで、家の空気が一気に夕飯色になっていきました。
ブラウン管テレビでは野球中継。カチャカチャと響くスプーンの音、笑い声、時々混じる父の相づち。どれもが、今では戻れない時間のBGMです。
競い合うように語られる「今日という一日」
競い合うように語られる「今日という一日」
- 健一: 「ドッジボールで最後まで残ったんだ!」と胸を張る。
- 明子: 「図工の絵、先生に褒められたの」とはにかむ。
正太: 勢いよく身振りをした拍子にカレーをこぼし、家族みんなで大笑い。
魔法の言葉「ハヤシもあるでよ!」
魔法の言葉「ハヤシもあるでよ!」
「今日はカレーだけじゃないのよ。いつものオリエンタルさんのだけどね……ハヤシもあるでよ!」
昭和CMの一言
デミグラスソースの香りが湯気と一緒に立ち上ると、父は箸を止めて穏やかに笑う。食卓の真ん中に並んだ二つの鍋は、わが家にとっての「ささやかな祝祭」でした。
デジタル回顧録として
デジタル回顧録として
現代のように便利ではなかったけれど、あの頃の食卓には、湯気の向こうに「確かな幸せ」が見えていました。
あなたの記憶の中にある「一番幸せだった食卓の匂い」は、どんな香りですか?
